ウクライナ国境に近いルーマニア・ガラツの街に多く住むウクライナの子どもたち。
GNJPによる心理社会的支援が始まってまだ間もない今は、「写真言語法」を用いていろいろな思いを語り出します。
ファシリテーターのユリアはオデッサに生まれ育ち、戦争が始まるまでは空手の先生をしていました。今は逃れてきてこのルーマニアの国境の街に暮らしています。
ファシリテーターとしての優れたセンスを持つユリアは、彫刻のような整った顔立ちに青い目、そしてブロンドの髪というウクライナ人らしい美しさをたたえながらも、あの空爆の日々を静かに語りました。今日は5歳〜10歳という集中するにはなかなか難しい年齢の子どもたちですが、ユリアの話にちゃんと付いてきます。
「”忘れられないあの日“。私はオデッサにいたよ。空襲警報が鳴り響き、つい私の大好きな街にも爆撃が始まった。遠くに炎が見えて、地響きが身体に伝わってくる・・・」
心理社会的支援は、無理に想い出させたり吐き出させたりするものではなく、自然な会話の流れの中で自分らしく語っていけることをめざしていきます。ユリアの柔らかな刺激を受け、子どもたちは何十枚も用意された写真の中から、自分にとっての「忘れられないあの日」を語るために一番いい写真を選び、自由に語り始めます。
7歳のキリウが語ります。
「僕はずっとずっと拡がるこの麦畑が忘れられない。小さい頃からこの写真のようなウクライナの麦畑を見てきたから。早く帰りたい」
8歳のニコワが語ります。
「海が私の想い出。海が大好きだった。小さい頃からお父さんお母さんはよく黒海に連れて行ってくれたから。でもお兄ちゃんは海が苦手でいつも泣いてたな。もう一度あの海に行きたい」
みんないつの間にか故郷ウクライナへの思いでつながっていました。
すると最年少、5歳のカーチャが語り始めたのです。1匹の猫の写真をみんなに見せながら・・・。
「私、猫をウクライナにおいてきたんだ。だって連れてくることができなかったから。でも近所の人が育ててくれてるって聞いたから安心。早く私の猫に会いたい」
5歳でもそんな思いを抱えながら異国に暮らしていました。
最後に立ったのは、見るからに利発そうな7歳のアレクサンドラでした。
「私にとっての、忘れられないあの日はね。おじいちゃんとイチゴを摘みに行ったあの日のこと。背の低い私はなかなかイチゴに手が届かなかったけど、おじいちゃんはひょいひょいとイチゴをとってくれた。もう一度ウクライナに帰っておじいちゃんとイチゴを摘みたい」
この集まりは何だろう・・・。
たった5歳や7歳の子どもたちが「忘れられないあの日」と言われたら、故郷ウクライナで暮らした「あの日」を語っている。なぜそこに戻れないのだろう。
「帰りたいけど、帰れない」
どうしてそんな不自由で悲しいことをこの年齢の子どもたちが語っているのだろう。この子たちの「忘れられないあの日」は距離も、時間もどんどん自分の人生の中から遠ざかっている・・・。
一人一人の子どもたちの語りを聴きながら、怒りと悲しみがこみ上げてきました。こんな不自由を強いている愚かな為政者たちは、いつ天罰をくらうのだろうか・・・。
純真で汚れのないウクライナの子どもたちとそれを支えるユリアと、もう一人のファシリテーター、オルガもどんな思いでこの子たちの思いを受け止めているでしょうか。
ユリアが言いました。
「ここへ逃げてきている子どもたちは学校に行けていません。だから自分の思いを吐き出せるところがないのです。心理社会的支援によるつながりとそこにあふれる語りは、難民となったこの子どもたちに最も必要なものです」
こうして始まったばかりの心理社会的支援だけれど、センスにあふれたウクライナ人のファシリテーターによって、子どもたちは語る機会を得ています。
桑山 紀彦
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