「南スーダン難民篇3」の主人公リチャードは、昨年、ファシリテーターのトレーニングを受けていました。ものすごく表情豊かに歌う彼の姿を「地球のステージ」公演の中で見た方もいるでしょう。そんなリチャードはすでに独り立ちし、立派にファシリテーターとして活躍していました。間合いも説明も共感も受容もとてもうまく、天性のものを感じました。そんなリチャードがファシリテーターとして行ったのが「はりがねの人生」ワークショップでした。
いつもは針金と粘土、粘土板を使いますが、それが手に入らない現場です。そこでリチャードは紙に人生の軌跡を描くという手法にシフトします。針金のように「やり直し」がなかなか難しいツールではあるけれど、その地域に合ったやり方をし、そこにあるものを利用すればいいのですから、これはこれでありだと思いました。ガザでも適応できるやり方です。
その中にいたのが21歳のエマヌエルでした。ちょっと「ワル風」の出で立ちのエマヌエル。自分の人生を語りました。
「オレの人生はもうジグザグだよ。いいことがあれば悪いことがある。この2つの赤い悪いこと…。そう、オレはもう若い頃から酒とクスリにはまって、よくない連中とつるんでたよ。本当に落ちるところまで落ちたと思う。でもどこかでこのままじゃいけないって思ってたのも本当で、身寄りのないオレだけれど、このADRAがやってる職業訓練学校に入ったんだ。学ぶことは多いけれど、それがすぐに仕事に結びつくわけじゃない。でも、この最後のところ、このいろんな色がちりばめてあるところはさぁ、たくさんの友達ができて、いろんなことを学んで、時々みんな嫌になる気持ちも混じるけど、それでもなんとか未来を見ようと思ってさぁ、期待と不安の固まりを表現したんだよね。で、人生の曲線は未来に向けて少しだけど上に上がってるんだよ」
苦労をしている者たちの集まりだからなのでしょう。この後の「質問しよう」の時間にもいろんな質問がエマヌエルに向けられ、彼は誇らしそうにそれに答えていました。
ほんの一瞬かもしれないけれど、みんなの前で自分の人生の軌跡を語り、そんな自分の人生にみんなが興味を持っていろんなことを聞いてくれる。その体験こそが「トラウマに向き合う」ことであり、「トラウマと共に生きていく」ということなのだと教えられました。
最後にこちらからのプレゼントで僕がアカペラで歌を歌ったら、そのお返しになんとエマヌエルが即興で作った歌を歌ってくれました。
こんなオレたちのところへ
遠くから来てくれてありがとう
心から感謝しているよ
どうか帰りも、神様が見守って
あなたの国に無事に帰られますように
祈っています
やさしい歌でした。
南スーダンに生まれ、戦争に巻き込まれて、家族もみんな失って、なんとかウガンダに逃げてきて、ようやく学ぶ仲間を見つけて、それでも将来には不安を持ち。だけれど、心は豊かでやさしいままに、笑顔で即興の歌を歌ってくれる…。
エマヌエルに心から感謝でした。
桑山 紀彦
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落葉先生の集大成
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(ウガンダ事業)保護者ミーティング
NHK出演からの3日間
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(ウガンダ事業)スタッフの成長を感じた1週間
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ローマ教皇が東ティモールを訪問!
帰国しました
たった1時間の演技力
帰路〜空港まで12時間の道のり
リチャードの物語
映像と演技の持つチカラ
音楽の持つチカラ
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(東ティモール事業)エコー検査の研修を実施しました!
取り憑かれたように…
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