7月17日(木)7時18分。港屋のおばちゃんが亡くなりました。死因は脳梗塞でしたが、心臓の疾患も加わってのことでした。84歳でした。
おばちゃんと出会ったのは、僕が18歳の夏。大学1年生の自分は、初めての自転車日本一周第一弾として四国一周に出かけました。その時、愛媛県の三崎町(現在は伊方町三崎)で出会ったのが港屋のおばちゃん。長期長距離の旅を始めたばかりで不安ばかりの僕に、おばちゃんは本当にやさしく接してくれて、それ以降の旅に何の不安もなく、ただひたすら人と出会うことのすばらしさと感動を教えてくれたのがおばちゃんでした。その年には「民宿港屋」という曲を書き、音楽愛好会(サークル)でよく歌っていました。出会った誰かのことを歌にした初めての作品でした。
翌年の九州一周の時も、大分県佐賀関から九四国道フェリーを使って、わざわざおばちゃんに会いに行きました。その時、高校生だった娘さん(妹)の由美子さんと共に、九州へ戻る船まで見送りに来てくださった写真が今も手元にあります。
自転車で日本を一周するという、今から思えば無謀な旅でしたが、いつもそこには人と出会うことのすばらしさを教えてくれたおばちゃんが息づいていました。
「地球のステージ」が始まって、その3番を作る中で制作したのが「自転車日本一周篇」。先日出雲三中で久しぶりに公演した作品です。そして「民宿港屋」を再編曲してバイオリンを入れ、以来幾度も語り歌うことになっていくのです。4200回の公演回数の中で、100回以上は公演したと思います。かつては松山大学公演の時、おばちゃんと娘の由美子さんが来てくれて、ようやくおばちゃんの前でおばちゃんのことを語り歌いました。
施設に入られてからも何度か会いに行き、その都度元気なおばちゃんに励まされて帰ってきました。今年の1月、石鎚山登頂をめざしたときも、まずはおばちゃんに会いに行ってから登頂をめざし、左肩前方完全脱臼で登頂断念するわけですが、それがおばちゃんと会った最後になりました。明ちゃんはなんと6月にわざわざ会いに行き、それが最後となりました。明ちゃんのことが大好きで、娘のように思っていたおばちゃんでした。
今回、ようやく由美子さんの自宅のお仏壇と三崎町のお墓に手を合わせることができました。おばちゃんのお墓は三崎の街が見渡せる小高い丘の墓地にあり、最高の眺めでした。生前、おばちゃんが購入していた一等地でした。
由美子さんと港屋のあった場所に行きました。今は洋服店になっていて外壁は修繕されていますが、当時の建物のままでした。懐かしかったです。
由美子さんが言いました。
「母はとにかく、若い人たちがお金がなくても安心して旅できることを考えて、民宿をやっていました。乗るはずのフェリーが荒天で欠航になり、途方に暮れている大学生をよく無償で泊めていました。でも、こんなに長く深く関わったのは桑山さんだけだと思います。いつも桑山さんの活躍を楽しみにしていました」
今の子どもたちは旅をしなくなってしまいましたが、いつの時代も旅が教えてくれることはたくさんあるはず。出雲三中の福田先生がわざわざ「自転車日本一周篇」をどうしても中学生に見せたかったのも、旅が人を育てると分かっているからだと思います。
今回は出雲の川上修五さん、真樹さんと一緒に旅をし、尾道では実にユニークな旅館に泊まり、修五さん真樹さんにとっては初めて会う人のお墓参りをしてしまうという、そんな出会いもまた、おばちゃんが天国から仕組んでくれた贈り物だったように思います。
これからも「自転車日本一周篇」は一つの演目として、ステージで話し続けていこうと思います。おばちゃんの存在や生き方もまた、一つの大きな「物語り」だと思うからです。
桑山 紀彦
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