Projectシリア研修生受け入れプロジェクト

本プロジェクトが
始まったストーリー

内戦が始まった2011年より、シリアでは多くの人々が恐怖に苦しみながら生活しています。
心に傷(トラウマ)を負った人々は多く、PTSDを起こす人もおり、メンタルサポートに対する需要が非常に高くなっています。
当団体では世界各地でこのようにトラウマに苦しむ人々に対し心理社会的サポートを実施してきた実績があり、特に地域に根ざした心のケアについては国内外より高い評価を得ています。そこで2018年、国連開発計画シリア事務所(UNDP Syria)より依頼を受け、シリア国内にて心理社会的サポートを実施するファシリテーターを育成するべく、シリア人のソーシャルワーカー10人を日本に招聘し、研修を行いました。

心のケアワークショップの実施

シリア国内にて心理社会的サポートを実施するファシリテーターにも、以下のステップで心のケアワークショップを体験してもらいました。


  1. 二次元表現:写真言語
    お題となる写真の登場人物の気持ちになり、その感情を自分の言葉で表現。今後のワークショップにて自分の経験や感情を表現することができるように、話し出すきっかけをつくることを目的としたトレーニングです。

  2. 二次元表現:描画
    「好きなこと」「嫌いなこと」「忘れられないあの日」という3つのお題に挑戦。絵で表現し、それをグループ内で発表することで、自身の体験を共有することを訓練します。

  3. 三次元表現:粘土細工
    描画で表現したものを立体化し、物事を多面的に見る力を養います。

  4. 三次元表現:針金の人生
    これまでの人生を振り返り、ターニングポイントとなった出来事およびその前後の感情の変化について、時系列で表現します。

  5. 三次元表現:ジオラマ制作
    グループで協力して取り組む単元。「理想の街」をジオラマ化するこのトレーニングでは、想像力と希望を持って理想とするものを作り上げます。

  6. 四次元表現:音楽ワークショップ
    自分たちの感情や思い・願いを歌詞に乗せて、音楽というツールを用いて、辛かったこと、や苦しかったことを吐き出します。

地域に根ざした心理社会的サポートを学ぶ

シリア国内にて心理社会的サポートを実施するファシリテーターに対して、東日本大震災の事例をもとに地域に根差した心のケアを学んでもらいました。

  1. 東日本大震災被災者との交流
    東日本大震災被災地を訪問し、被災者がどのようにトラウマと向き合っているか、どのように社会と繋がっているかを学びます。

  2. 語り部講座
    東日本大震災被災者が当時の辛い体験を語り、そこから教訓を得る「語り部講座」に参加し、被災(トラウマの発生)から今に至るまでどのような経緯を踏んできたのか、コミュニティの中でどのように助け合ってきたのか、語り部の感情の変化を学びます。

シンポジウムの開催

研修のまとめとして、学んだこと、またシリアでどのように活かしていくかについて研修生から発表。また、研修生と他NGO, JICA担当者とともにパネルディスカッションを行いました。

プロジェクト概要

対象地 シリア(研修開催地は神奈川県、宮城県、岩手県)
対象者 シリア人ソーシャルワーカー
対象期間 2018年7月
現地連携団体 UNDPシリア
資金 UNDPシリア
人と関わり、人を支える
支援活動の実施にご協力ください。

みなさまからの寄付や物資支援、協働といった応援によって、
現地の人の未来を長期にわたってより良くする海外支援を
より多くの人に届けることができます。