Project東ティモール妊産婦・新生児死亡率削減プロジェクト

医療アクセスが困難な僻地の村では、妊娠・出産において適切なケアを受けられないことも多くあります。そのような地域でも安全な出産や、新生児・乳幼児への適切なケアを提供できるように、住民助産師の育成や巡回診療の実施を支援しました。

本プロジェクトが
始まったストーリー

東ティモールの僻地の村、特にエルメラ県は、産前・産後検診の受診率が国内で最も悪く、技術者による介助を伴った出産率についても極めて低い状態にありました。中でも、事業対象としたアスラウ村とアイレロ村の2村については、妊産婦検診受診率に加え乳幼児の予防接種率も極めて低い状態で、現地保健省からも母子保健の強化が必要な地域とされていました。

当時、地球のステージは首都ディリ市内にあるバイロピテ・クリニックにて医療支援を実施していましたが、そこで働く医師の1人、アイダ医師と協力してこの課題に取り組もうと、私たちにできる活動を考え、現地で活動する他団体の知見やアドバイスもいただきながら事業を実施しました。

本プロジェクトの内容

東ティモールでは、道路等のインフラが未整備であることに加え、文化や慣習により妊娠・出産の過程において医療サービスを受けるハードルがとても高くなっています。さらに当時は、適切な情報を得る手段も限られており、妊産婦が妊娠・出産についての正しい知識を得る機会はほとんどありませんでした。このような状況下でも妊産婦と新生児の死亡率を削減することを目指し、①妊産婦ケアと新生児ケアへのアクセス改善 ②適切な技術を持った技術者による妊産婦及び新生児へのケア ③女性への正しい知識提供 の3点を目標とし活動を実施しました。

巡回診療の実施

現地医療者が実施する巡回診療をサポートし、医療施設のない地域でも妊産婦検診や新生児検診(予防接種含む)が受けられる機会を提供しました。巡回診療では住民助産師による健康教育も実施し、妊産婦を始めとする地域住民が妊娠・出産に関する正しい知識を学ぶ機会ともなりました。

母乳育児の推進

育成した住民助産師から、管轄する村の乳幼児を持つ母親と出産間近の妊産婦に対して母乳保育についての教育を実施しました。東ティモールではその慣習から、栄養満点である初乳を捨てることになっていたり、新生児のうちから水やその他の液体を与えることもありました。母乳育児の重要性を伝えることで、乳幼児が必要な栄養を摂取できるようになりました。

プロジェクト概要

対象地 東ティモール エルメラ県ハトリア郡 アスラウ村及びアイレロ村
対象者 妊産婦、住民助産師
対象期間 2008年7月〜2009年7月
現地連携団体 東ティモール保健省、エルメラ県保健局、ハトリア郡保健センター、バイロピテ・クリニック、Alola Fundation、SOLS
資金 外務省|NGO連携無償資金協力
人と関わり、人を支える
支援活動の実施にご協力ください。

みなさまからの寄付や物資支援、協働といった応援によって、
現地の人の未来を長期にわたってより良くする海外支援を
より多くの人に届けることができます。