ウクライナの国境の街ガラツには、たくさんのウクライナから逃れてきた難民のみなさんが住んでいらっしゃいます。みなさんは街の中に点在して暮らしていますが、ルーマニア政府が借り上げたアパートの一室であったり、潰れたショッピングセンターだったりします。
このプロヴェリタスが運営するシェルターは元々ショッピングセンターでした。
空間に間仕切りをして、5家族、45人が生活していますが、なかなか帰還の目処が立たないことでみんな疲れてきていました。
壁にはウクライナへの想いや願いが一面に貼られていましたが、その中にウクライナの地図があり、出身地に紙を貼り付ける仕組みで、圧倒的に南東部が多い状況です。オデーサやヘルソン、ザポリージャに紙が集中していました。
アレックスさんは65歳、ザポリージャ原発のすぐ近く、ニコーポリからにげて来ていました。
「ここの暮らしは安定しているよ。みんなに支えられている。しかしやはりウクライナに帰りたい。ワシはずっと農民だった。こうして土から離れて長い時間暮らしていると、もう戻れないんじゃないかと不安になる」
この建物にはシャワー室、ランドリー室、物資の貯蔵室、薬局などが作られており、ルーマニア人のクラウディアが教会組織、ProVeritasの代表としてこのシェルターを運営していました。日本のNGO、GNJPはこのシェルターの運営について大部分を担い、日々支援しています。GNJPはJPF(Japan Platform)の資金を使っていますが、このウクライナ支援は政府資金ですので、みなさまの税金が使われています。ちゃんと有効に機能していました。
月曜日はここに暮らす高齢のみなさんの健康診断を行います。長期化する仮住まいと慣れない環境でストレスはかなり蓄積しているはず。それが身体的なダメージにつながっていないといいのですが・・・。
桑山 紀彦
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