ガザへの想い
今日は午前中、1時間以上にわたってガザにいる「地球のステージ」6人とのミーティングを行いました。時差がないこと以上に、みんな、僕たちがパレスチナに来たことを大変喜んでくれました。ガザではなくても、同じパレスチナのラマラにいることで非常に連帯感が強まります。
6月から始まる予定のUN（国連）との仕事の内容を一つ一つ説明しながら、それが可能かどうかの判断を一緒にしていきました。みんな一様にやる気であり、多くの困難があってもこの仕事をやり遂げようとする強い気持ちが伝わってきました。こちら側のナーセルさん、マリアムも本当に頼もしい仲間です。最後に一人一人に声をかけました。
「ユーセフ。君はモハマッドが亡き後、本当によくこの事業を引っ張ってきてくれた。それと同時に君ほど良くできるファシリテーターはいない。これからもワークショップをよろしく頼む。
ファラットさん。モハマッドはいつもあなたのことを「一番の親友だ」と言っていた。どれほどあなたのことを信頼してだろう。だから、そんなモハマッドを失ったあなたの悲しみは計り知れず、僕の心の痛み以上に日々苦しいと思う。でも、モハマッドは近くにいると思ってがんばりましょう。
ファティマ。先日あなたが出演していた映画「生きる」をみんなで見たよ。妹を演ずるあなたの演技は最高だった。ここまでたくさんの困難があったのに、よくついてきてくれている。婚約おめでとう。いつもあなたと一緒に活動できる幸せを感じているよ。
アッラー。君が来てくれてどれほど励まされたことか。モハマッドは僕たちの活動のシンボル（象徴）だった。これからは君がこの活動のシンボルとしてがんばって活動してほしい。君がそこにいるだけで心が満たされるよ。
ラーエッド。もう何年一緒に活動しているだろうか。僕の一番の心配はあなたの健康だ。あんなに太っていたのにそんなに痩せてしまって…。どれほど食べるものに困っているかがよくわかる。どうか本当に健康に気を付けて」
ここでラーエッドは立ち上がり、おどけながら痩せ細った身体を見せてくれました。
「ヌール。君の写真にはいつも驚かされる。そしてレポートもすばらしい。でも命を大切にしてほしいんだ。君は「地球のステージ」のスタッフだ。ジャーナリストではない。伝えたいことがたくさんあることはよくわかるけれど、今は活動に専念してくれ。そして伝えたいことはどんどん僕に送ってくれ」
ガザのみんなへの思いが一気にあふれ出し、涙が止まらなくなりました。すると、すぐにナーセルさんが駆け寄ってきてくれて、背中をさすってくれました。愛すべきパレスチナ人。
ミーティングが終わってマリアムに、
「僕がどれだけパレスチナ人を愛しているか、改めて気づいたよ」
と言うと、
「ガザのみんなもあなたのことをとても愛しているよ。それがよくわかったわ」
どうかこの人たちが命の危険に曝されず、飢えず、病気やケガの恐怖にさいなまれない時が来ますように。
桑山 紀彦
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